秋葉原BEEP、家庭用ゲーム担当のアキ山です。
最近のゲームはオンラインで購入しダウンロードして、メニューから選択して遊ぶ…というのが普通ですが、なんとファミコンには自分でプログラミングを行い、「ゲームを作って遊ぶ」ための周辺機器がありました。
今回はそんな「子供向けコンピュータ学習環境」として発売された『ファミリーベーシック』について紹介していきます。
ファミリーベーシックとは
ファミリーベーシックは、任天堂が1984年6月21日に発売したファミリーコンピュータ用の「プログラミング環境機器」です。
BASIC言語を組み込んだロムカセットと、ファミコン本体のエキスパンドコネクタに接続する周辺機器としてのキーボード、プログラミング教本の3点がセットになり販売されました。
さらにパソコン専用のモニターでなく、テレビで動かすことが出来るので、ファミコンとテレビさえあれば使えるというのが大きな利点です。
また、ファミコンはセガのSC-3000と同日に発売しましたので、強く対抗するために、ファミリーベーシックが発売されたのではないかと予想されます。
1970年～1980年初期はパソコンが一般に普及し始めた時期で、1981年末にPC6001が登場した事により、PCの価格帯が落ち着き始めたころでした。
初めてプログラミングに挑戦しようとする子供たちに、 ファミリーベーシックは希望小売価格は14,800円と当時のパソコン※1と比べるとかなり安価で、始めるのに丁度いいコンピュータ学習環境でした。
さらに子供が雑に扱っても壊れないよう、キーボードはしっかりとした作りになっていて、頑丈な作りになっています。
キーピッチも子供の指のサイズに合わせ少し小さめに作られているのもいいですね♪
※1．当時SHARPから出ていたMZシリーズの定価は30～40万円、PC-6001は9万円程。
プログラミング、ゲームの作成
ファミリーベーシックでは、パソコンのようにプログラミングをすることでゲームの作成をすることが出来ます。
ゲームを作るって難しそう…と思うかもしれませんが、プログラミングについて全く知識がない子供でも出来るように、簡単に設計されています。
ファミリーベーシックにはキャラクターを動かす時に使う「MOVEコマンド」という超簡易キャラクター表示命令が用意されていました。
わずか8行のプログラムと、かなり簡単に出来るうえ、それだけでキャラクターが動くというので「自分の力でゲームを動かしている」と感じることが出来るのが魅力です。
作るものによっては複雑なプログラミングが必要になりますが、初めてのプログラミングで成果が得られたら「もっとやりたい！」となりますよね✨
任天堂は子供の心を掴むのがうまいな～と思いました（笑）
ファミリーベーシックとゲームソフトの連携
ファミリーベーシックは「データレコーダー」を利用することにより、作成したゲームデータの書き込みや、ステージエディット対応ゲームのデータ保存をすることが出来るように。
（対応ソフトはロードランナー、ナッツ＆ミルク、エキサイトバイク、レッキングクルーの4点）
当時ほとんどのファミコンゲームは、パスワードを紙に書くなどをしないとデータの呼び出しが出来ませんでした。
ですが、データレコーダーを使えば「セーブ」が出来るようになるという事でかなり画期的な技術となっていました。
そして対応ソフトの中でも 「ロードランナー」と「ナッツ＆ミルク」の2点は 『ユーザーが作成したステージデータをカセットテープに保存し、ユーザー間で交換が出来る』タイトルでした。
ファミリーベーシックで自分の作ったコースをカセットテープに保存し、そのカセットがあれば他の人もそのコースを遊べるようになる…という夢のアイテムに。
【自分の考えた最高のコース！】を友達に共有できるのは子供の夢とロマンが溢れますよね！
さらにファミリーベーシックはゲームのコードが載った書籍や、雑誌が数多く出版されました。
「ファミリーコンピュータMagazine」や「ファミリーコンピュータ ファミリーベーシックがわかる本」など、掲載されているコードを打ち込めばゲームが遊べるので、自分で作り自分で遊ぶ事が可能となり、人気に拍車がかかりました。
また、雑誌の中にはファミリーベーシックの読者投稿コーナーがあり、オリジナルで考えたゲームを投稿し、良く出来ていれば雑誌に載せてもらえる！
というものもあり、雑誌に載せてもらえるように頑張って作成するのが目標の方も多かったようです。
ここで今回のブログは終わりとなります。
ファミリーベーシックはプログラミングの入門として子供から人気を博していましたが、今でも当時と同じようにプログラミングの初歩を体験することが出来ます。
BEEP秋葉原店でも取り扱いがございますので、気になった方はぜひお試しくださいませ♪
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